Mozambique

 

−はじめに −

モザンビークの基本情報はこちらで。。

 

−モザンビークの印象 −

マプトに着いて、最初の印象。黒人ばかり。恐い。そういう環境は初めてだった。
アジアともヨーロッパともアメリカとも顔つきも肌の色も違う。

マプトは想像していたよりもはるかに都会で、町並みはきれい。
ただ、ゴミが町中に散乱しているのと、家々には鉄格子が必ずあり、
ガードマンがいたりとかなり物騒な気がした。
少し町をでるとすぐ、わらの家で生活している人たちがいる。
インド、ネパールに比べ、物乞いはあるがそれほどしつこくない印象を受けた。

1ヶ月間の語学学校の先生や学生、ホームステイ先の家族がとても親切で良い人たち
だったため、モザンビークに対するイメージはすぐに変わった。
現在の職場も、同僚はみな親切。彼らの家に招待してくれたりもする。
やっぱり出会う人に恵まれているのだと思う。

あと、アフリカといえば「サファリ」というイメージを持っていたけれど、残念?ながら
モザンビークのナショナルパークにはあまり動物はいないみたい。
そのかわり、海がきれい。ジュゴンもいるらしい。

 

−家族 −

 

モザンビークでは、離婚・再婚が多かったり、結婚せずに子どもがいたり、結構複雑な家庭が多いようである。
初対面でよく「結婚しているのか?」ではなく、「子どもはいるのか?」と質問されることが多いのも納得。。
親戚のつながりがとても強く、誰かが常に訪れてごはんを食べたり、親戚の子をよくあずかったりする。

貧富の差がはげしいこの国で、持っている者が分け与えるという習慣なのか、
お金の感覚がまだよくわからない。
一緒にお昼を食べると、お金がないと言って払わされたり、
そうかと思えばお金をもっている人はおごってくれたりもする。
給料を貯金して今後の生活設計を立てるというよりは、市場が不安定なため、
お金が手に入ると物を買ったりして、すぐ使い切るようである。
なので、同僚の家にも、TV、ソファ、テーブルなど、家具は結構揃っている。

 

−電気・水 −

停電はしばしば。
冷蔵庫(隅に小さい冷凍庫付き)があるけど、12時間くらい停電していた時には
冷凍していた鶏が自然解凍されてしまった。。
電気はなくても生活できるけど、水はやっぱり必須だ。
そんな感じで、停電にも慣れてしまった。
こっちの人は、19時くらいに寝るらしいというのを最近知った。
私は、23時頃寝ていると言ったら、そんなに遅くまで何しているんだ?
とびっくりされてしまった。

ここに来て、改めて水の大切さを実感。
日本でこんなに水について考えたことなかった。
勤務場所が、ガザ州公共住宅省給水衛生課ということもあり、井戸管理のデータベースを
開発するにあたり、各村をまわって井戸や貯水所など見学。
村の住民たちが、現地語(xangana語)で「ありがとう(Kanimanbo)」といいながら、
ポンプで水をうれしそうに汲んでいるのを見てあったかい気持ちになった。

しかも、水泥棒事件(誰かが水欲しさに私の家の水道のチューブを途中で切ったため、
2日間断水だった。。)で、バケツに水をもらいながらの生活をしたことで、
水道をひねれば水が出るありがたさを再認識した。

日本にいるときは、「なぜ井戸を掘るんやろう?水道を作ればいいのに。
井戸管理のデータベースなんて意味あるんやろか?」と漠然と考えていたけれど、
現場に来てみて、井戸が近くにできるだけで、4時間かけて水汲みに行っていた手間が軽減されるのだ。

マプトを一歩でると、わらと土壁の家に住み、水を近くの井戸まで汲みに行き、
薪で水浴び用の湯を沸かし、炭で料理をしている家庭がほとんどである。
電気のないところもたくさんある。
そんな生活が変化していくにはまだまだ時間がかかるだろう。

 

−ゴミ・汚水 −

ゴミについて。
マプトでは、週に何回かゴミ回収車がまわってくるそうだが、私が住んでいる地域はそういうものはない。
その代わり家の庭に大きな穴が空いていて、そこに捨てろと言われた。
生ゴミは埋めて、燃えるゴミは燃やして、燃えないゴミだけ穴に捨てるようにしている。
なるべくゴミをださないように生活している。

モザンビークでは、ペットボトル、缶、ガラスなど、リサイクルしていないため一緒に捨てている。
ゴミを平気で道に捨てたりするため、町がごみだらけである。
家の敷地内はとてもきれいにしているのに、公共の場所はなんとも思わない。
教育・しつけの一環として、そういったモラルの指導も必要なのではないか。

汚水処理は、されていないらしい。
敷地内のどこかにたまっているか、川や海へそのまま流している。
マプトの海が茶色く濁っているのもそのためである。

発展するにつれてこういったゴミ・汚水処理問題が深刻化してくるだろうと思う。

 

−仕事・教育−

現在、この国は以前の生活と外からの生活が混ざってきていて、人々の中にも変化が起こっている。
お金を持っている人も増え始め、貧富の差が大きくなりつつある。
特に政府関係は汚職が多く、お金は集まるところに集中する。
上の方の人は、車や家を何軒も持っていたりする。
中級レベルの人は自分たちを周りの欧米諸国と比較して貧しいと言ったりもするが、
お酒を飲んだり、ダンスをおどったり、彼らは彼らの生活を楽しんでいる。

まだまだすべての人に教育の機会はない。
先生も学校も不足しているため、働きながら高校に通っている人もたくさんいる。
子供たちは学校が好きなようである。友達がいっぱいいて、勉強できるから。
職がない人がたくさんいて、そういう人達の仕事も決まってくる。
多くの人が学校へ行き直しており、良い仕事につくため勉強したい人もたくさんいる。

 

−経済・生活−

 

内戦時に田舎で農業などをしていた人たちの多くは町へ非難してきて、
そこで生活し始めた。
一度都会の生活に慣れてしまうと、もう一度田舎へ戻って畑を耕すのが嫌になる。
モザンビークに鉱山資源はなくても、活用できる土地や海があるのにもったいないと思う。
この国に経済発展には、インフラ整備が不可欠である。
輸送手段がないため、物の値段が高かったり、不便なことが多い。

あと、どの分野の企業もほぼ独占状態なため(飛行機、テレビ、電話、電気他)、
値段が高い。工場がほとんどないため、多くのものは南アから輸入されている。

この国がどうなっていけば良いのか。まだまだ私にはわからない。
資源やエネルギーを無駄遣いする生活がいいとも思わない。
最低限人間の生活に必要なものと衛生、教育の機会があればあとは、
彼らが自分たちで考えるべきである。
どこへ向かいたいのか。
与えられるのに慣れてしまっては彼らのためにも良くないと思う。

 

−日本に対する印象−

日本でモザンビークに関する情報は少ないが、モザンビークにとって日本は、
車や電化製品、援助国の一つ、サッカーのワールドカップ開催国というイメージである。
彼らの中には日本がどこにあるのかわからなかったり、中国と混同している人も多い。
仕事がら、JICAの研修で日本に行ったことのある人に出会うことが結構多く、
興味を持ってくれているのも確か。
現在、Xai-Xaiには日本人は私一人である。

車市場は、日本車が段とつ。
英連邦に加盟(95年)していることもあって、左側通行であるためか。
Chapaも日本の幼稚園バスなどの中古車が多い。
整備されずに何年も乗っている車も多く、危険である。
ほとんどがマニュアル車であるが、最近はオートマの新車も手に入るようである。

 

−エイズ・マラリア−

エイズの問題は、他のアフリカ諸国と同じく深刻である。
毎日のようにニュースや新聞でとりあげられ、多くの場所でキャンペーンが行われている。
ただ、やはり田舎ではまだまだそういう機会が少ないのと、エイズ感染者の多い
隣国ジンバブエ、南アに出稼ぎにいって感染してくる人がいるため、
感染者数は増え続けている。

マラリアは彼らにとっては、日常の風邪のような感覚。
周りでもあちこちでマラリアにかかっている。
風邪かなと思ったら医者にいき、簡単なテストしてもらうのがよい。
早期発見、早期治療をすれば死にいたることはほとんどないらしい。

 

−食べ物−

主食は、米かとうもろこしの粉を水で練ったシマ。もち米みたいな感じ。
あたたかいうちはおいしい。パンもよく食べる。
モザンビーク料理で代表的なピーナッツをすりつぶした粉と、ココナッツミルクで
野菜、肉、魚などを煮込んだカレーはおいしい。
あとは、シンプルに炭で焼いたり、油で揚げたり。
野菜も結構食べる。海産物もある。
ポルトガル領であったため、食事は他のイギリス領であったアフリカ諸国に比べおいしいらしい。
ポルトガルの影響で地中海料理、ブラジルの影響で豆料理なども豊富。

首都マプトには最近韓国人経営の日本料理店もオープンした。寿司バーもある。
中国のスーパーや店では醤油や、インスタントラーメンなど日本食に近いものが手に入る。

マプトを含め、24時間営業のコンビニはない。
ガソリンスタンド経営の店が24時間開いているが、値段は少し高め。
マプトには、南ア出資の大型スーパーマーケット(ShopRite)や、
他にもいわゆるスーパーマーケットがあるが、シャイシャイにはない。

 

他には、中華料理、イタリア料理、タイ料理、スリランカ料理などのレストランがある。
オープンカフェの店も少しある。マクドナルドやスターバックスはないが、
ケンタッキーがマプト市内にオープンする予定。
フルーツは豊富で安い。特に南国のもの。
パパイア、マンゴ、オレンジ、バナナ、ライチ、パイナップルなど。
りんごやいちごは南アからの輸入らしい。

 

−飢餓−

海もあって、緑の豊富なこの国にも飢餓に苦しんでいる地域がある。
2000年の大洪水の後、干ばつが続き深刻な水不足が原因である。
マプト、シャイシャイに住んでいるだけでは見えないこと。
まだまだたくさんあると思う。

 

−アルコール・たばこ−

モザンビークビールが3種類あり、100円以下で手に入る。南ア産、ポルトガル産のワインがけっこうある。
たばこは高いからか、あまり吸っているひとはXai-Xaiではみかけない。

 

−危険情報−

強盗や、スリは外国人に対してだけでなく、モザンビーク人もかなり被害にあっている。
特に、携帯電話はチップを買えばどの機種でも使用できるため、スリが多い。
マプトでは、必ず携帯電話の音を切り、なるべく道では出ない方が良い。
ミニバス(Chapa)に乗る際も十分気をつける。
時計や、アクセサリーも被害に合う危険が高いので、なるべくつけない方が良い。
鞄も必要最小限にしておく。カメラをむやみに出さないなど。

交通事情、マナーは悪い。特に市内で利用するミニバス(Chapa)の運転はかなり荒い。
歩行時は十分注意する、長距離の場合Chapaは利用しないなど。

 

−CAPLANA−

カプラナという布はすごい。
こちらの伝統的な女性の衣装で、普段はスカートみたいに腰にまきつける。
地域によっては、お葬式には必ずカプラナとレンソルを頭にまくのが正装。

寒いときはストール、料理するときはエプロン、赤ちゃんをしばったり。
ビーチでゴザ代わり、テーブルクロス、カーテンetc...
私は赤ちゃんをおんぶしている姿がお気に入り。

 

2003-11-01 16:30 update

 

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